2009年の納竿

2009年の納竿

今年最後の釣行は、飯岡でのアイナメ釣りと鬼カサゴ釣りに決めて、三次郎丸に行きました。 日曜日の午後釣りでアイナメをやり、翌日は沖のアラ&鬼カサゴを狙う欲張りな釣行です。 従って、ク-ラ-も大小二つ、竿も複数本と車いっぱいの荷物と軍資金を持っての出発です。 今日アイナメを釣ったら、近くの民宿を紹介してもらい、そこで一夜を過ごすことになると、みかんにおつまみまで用意して、遠足気分です。

愛車で横芝光→銚子連絡道路を通って、R126を八日市場まで走るとカインズ・ベイシアが見えてきました。 これ幸いと立ち寄って、アラの餌を調達することにしました。 鮮魚売り場を見てみると、都合良く小型ヤリイカとサンマを売っていたので、それを購入し、喜び勇んで飯岡漁港に向かいました。

予定より早く着いたので、腹ごしらえを済ませ、船の繋留場所に行くと岸壁は車で埋っていて、駐車する場所がありません。 日曜日の昼ですから、多くの釣り客は未だ船の上だし、その車で港が混雑しているのは当然です。 仕方なく、離れた所に留めて、午後のアイナメ船が帰ってくるのを待つことにしました。

何故アイナメ釣りに来たかと言えば、30年位前までは、東京湾でもアイナメがよく釣れたので、金沢八景地区の船宿でカサゴ・アイナメを釣っていた時のことを思い出したからです。 コクン、コクンと引く、あのアイナメ独特の引きが懐かしくなって、もう一度釣ってみたくなりました。 そこで、その当時から大物アイナメが釣れる所として有名だった飯岡を選んだのです。 当時はビ-ル瓶サイズは言うに及ばず、一升瓶サイズも出ると言われたものです。 現在の八景地区は、アイナメが居なくなり、たまにカサゴやメバル釣りで小型が混じる程度です。 ここの大型アイナメが針掛りしたらどんなだろうと想像しながら、竿とリ-ルを3セット用意しています。 船宿で受付を済ますと、10歳のご子息が、今日初めて船に同乗して、アイナメ釣りをするとの事、これは強敵が現れたと気を引き締めた次第です。 栃木から来た人生の大先輩と思しき二人や、未だ30代後半と見える二人の総勢6人を乗せて、定刻13時に港を出て10分も走ると、今日のポイントに到着しました。

自作の中オモリ15号ハリス3号12cm、2本針仕掛けに岩イソメを付けて、投入すると15Mほど糸が出て、着底しました。 根と思われるところを錘でトレ-スしていると突然グググと当たりがあり、一呼吸いれて合わせると、コクンコクンとあのアイナメ特有の首振りダンスが竿先を通して伝わってきます。 ゆっくりと楽しみながら巻き上げてみると41cmのメスのアイナメが釣れてきたので、船長にタモ取りをしてもらいました。

彼女は、上の針をがっちり咥えていました。 魚を海水桶に入れ、餌の岩イソメをたっぷり付けて再度投入すると今度は黄色の婚姻色となったオスがブラクリの針を咥えて上がってきました。 今度も37cmの良型です。 この後は、フグのコツンという小さなアタリが続き、合わせをいれて釣り上げると腹を膨らませたフグばかり上がってきました。 5匹ほどフグ退治をした後、コクンコクンと独特のアタリで楽しませてくれたのが、34cm黄色のアイナメです。

この後もフグと25cm位のアイナメが交互に釣れて、サイズアップをしようと広く探ったり、餌を目立つように大きくしても効果がありませんでした。 将来の船長?を目指す男の子は、操舵室からちょこと顔を出し、竿を出したらあっという間にアイナメを釣り上げ、その獲物を桶に仕舞ったら、寒いのか操舵室に戻り、しばらくするとまた顔を出し、竿を出して、直ぐにアイナメを釣り上げてと電光石火の早業です。 艫に座った客が3匹釣り上げる間に5匹釣り上げて、客も脱帽!

4時近くなると、私の方は気温が下がってきたのか寒くなったので、止めようかと迷っていました。 餌も少なくなり、釣れたのはフグにキスとかギンポとかの外道ばかりです。そうこうしている内に沖上がりの合図で終了となりました。 暗くなった港に帰り、今日の泊まりを船宿に決めたら、艫のお二人も同様との事で一緒に近くに食事に行く事になりました。 お二人はお酒を飲まないのですが、釣り談義に花が咲き、楽しい昔話をして、船宿の風呂を浴びてから寝ることとなりました。

「坂の上の雲」を見終えて、寝床に入り、船宿の壁一面に貼ってある大アラの写真を思い浮かべて、「よし、明日こそ自己記録更新の8kgオ-バ-を釣ってやる」と夢を抱いておりました。 疲れからか、直ぐに寝入ったようですが、夜中の2時頃目が覚めてみると、風の音が気になります。 それからは眠れません。 3時半に起きて、着替えて、港に行って見ることにしました。 港には車が一台も無く、風が強く吹き、時折雨が降るし、雷が光ります。 「これはまずい!」もしかしたら、船が出ないかも知れません。 船宿に帰ってみると船長が来て、「今日はハナダイ釣りの船は出るが、鬼カサゴは出船できない」と説明がありました。 やはり鬼カサゴ釣りは、大陸棚の近くまで行くので、この状況では無理でした。 今年の納竿は、大アラと鬼カサゴで決めようとしたのが間違いでした。

去年は、大ヒラメ5.3kgを釣り、最高の納竿となったのですが、そうそういつも美味くは行きません。 前日のアイナメ釣りが今年最後の釣りとなりました。